「箱根駅伝」といえば、日本の年始を飾る伝統的なスポーツイベントで、毎年楽しみにしている方も多いのではないでしょうか?
しかし、この大会は「関東学連」に所属する大学だけが出場資格を持つため、関東以外の大学からは参加できません。
「なぜ全国からの出場が認められないのか?」という疑問を抱いたことがある方も多いのではないでしょうか。
箱根駅伝は関東学連主催の関東地区の地方大会だから
箱根駅伝が関東限定の大会である理由や、全国化が反対される背景について3つのポイントに絞って解説します。
【箱根駅伝】関東しか出場できないのはなぜ?
箱根駅伝は関東学生陸上競技連盟主催の関東地区の地方大会のため、関東以外の大学からは参加できません。
関東学生陸上競技連盟とは、東京都・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬・山梨に本部を置く大学・大学院・短期大学及び高等専門学校(第4・5学年)が公認している陸上競技関連の競技部で構成されているスポーツ団体。
関東学生陸上競技連盟 - Wikipedia
箱根駅伝は地方大会なんだね!
ちなみに、駅伝の全国大会は出雲全日本大学選抜駅伝と全日本大学駅伝の2つで、全国から参加できるようになっています。
そのため、箱根駅伝に出場したい選手は必然的に関東の大学へ進学する事になります。
そのため、実力のある選手は高校生の頃から大学の監督などに声を掛けられてスカウトされたりするそうです。
大会で記録を残した選手は声を掛けられる光景が多く目撃されるそうです!
【箱根駅伝】全国化が反対される理由3つ!
箱根駅伝の全国化には賛否両論あります。
しかし、全国化を反対する理由は3つあります。
収入面
箱根駅伝は人気の駅伝大会のため、多くのファンが存在し、テレビ中継もされているため、テレビ放映権収入、スポンサー収入、箱根駅伝関連グッズの売り上げ収入など莫大な収入が関東学連に入ってきていると予想されます。
そして、その恩恵を関東学連に所属している大学は受けているはずです。
関東学連がお金の流れを明らかにしていないので、何がどのくらい・・・というのは不明ではあるのですが・・・
例えば・・・地方の大学が地方の駅伝大会などへ出場するのに出場料が10万近くかかるのに対し、箱根駅伝の予選会の出場料は無料なのです。
もし、箱根駅伝が全国化になると・・・この収益をどのように分配するのかが大きな課題となってきます。
廃部となる
今現在は、関東の大学に所属しないと箱根駅伝は出場出来ないため、実力のある選手は関東の大学を目指すことになります。
そして、関東の大学が箱根駅伝でいい成績を残すため、長距離に強い選手を育成している状況です。
しかし、これが全国化となると・・・
関東の大学へ行かなくても、箱根駅伝へ出場出来れば、地元の大学を選択する選手も出てくるのではないでしょうか。
そうなると、箱根駅伝の予選会などを経て、ギリギリ出場している大学などは実力のある選手が集まらなくなり、陸上部の維持が出来なくなる大学も出てくると考えられます。
箱根駅伝の主催が「一般社団法人関東学生陸上競技連盟」であるため、関東の大学や選手を守るため、全国化に反対の意見が多くなる現状なのではないでしょうか。
スケジュールが過密
三大駅伝と言われている「出雲駅伝」と「全日本大学駅伝」と「箱根駅伝」の三大会。
「出雲駅伝」は毎年10月のスポーツの日に開催されます。
「全日本駅伝」は毎年11月の第一日曜に開催されます。
しかし、箱根駅伝参加するため、箱根駅伝の予選会参加となると・・・箱根駅伝の予選会は10月の中頃過ぎに開催されます。
「出雲駅伝」は一番長いコースでも10.2km、「全日本大学駅伝」では19.7km。
それに引き換え、「箱根駅伝」は全区間20kmを超える距離となってきます。
「出雲駅伝」と「箱根駅伝予選会」が一週間ほどしか調整期間がなく、その後三週間ほどで「全日本大学駅伝」となると・・・
しかも、「箱根駅伝」の予選会は、ハーフマラソンで争われ、参加資格も10kmを34分以内の公式記録を持っていないといけないという決まりがあるのです。
予選会の参加資格はなかなか高いハードルですよね!
「出雲駅伝」では6区、「全日本大学駅伝」では8区・・・しかし、「箱根駅伝」では10区。
「箱根駅伝」に出場するにはハーフマラソンを走れる選手を最低10人揃える必要がありますよね。
関東の大学では、「箱根駅伝」に重きを置き、練習などを積み三大駅伝の出場を目指すのでしょうが、地方の大学では「出雲駅伝」と「全日本大学駅伝」と地方の駅伝大会に重きを置いて練習を進めていく。
それぞれの駅伝のコースの距離の長さや必要な選手の人数が異なってきますよね。
地方では「出雲駅伝」から「箱根駅伝予選会」までの一週間の間に中距離選手を長距離選手へ調整していくのは難しいし、中距離選手と長距離選手両方を揃えるのもなかなか難しいですよね。
関東の地方大会の箱根駅伝に参加するには、選手の体調を考えるとスケジュール的に厳しいと考えられますね。
【箱根駅伝】過去に全国化された例
全国化されたのは2024年の100回記念大会のみです。
全国化ではないけれど、招待され出場を果たした関東以外の大学が存在します。
1928年から30年まで関西大学が特別招待されています。
1964年には京都の立命館大学と福岡の福岡大学が招待参加しています。
全国化ではなく「招待」という形での出場を果たしています。
全国化として、門戸を開いたのは2024年の100回記念大会だけのようです。
【箱根駅伝】全国化に対する口コミ
箱根全国化6割が賛成
箱根駅伝緊急アンケートの結果。
総数308。
賛成(男性196女性1不明5)
反対(男性84女性4不明6)
その他(男性12女性0不明0)
日刊スポーツ
全国化には、賛否両論あります。
賛成の意見としては・・・
陸上界の底上げが見込め、競技人口が増加するや、実力のある選手の偏りがなくなる・・・などがあげられます。
そして、いろんな事情で関東の大学へ進学出来なくても、箱根駅伝に参加出来るなど・・・箱根駅伝へ憧れていても現実的に無理だと諦めてしまっている選手が少なくなるのではないでしょうか。
まとめ:【箱根駅伝】関東しか出場できないのはなぜ?全国化が反対される理由3つ!
今現在の関東の大学と地方の大学で目指している大会が違い、地方の大学の目指している大会の中に「箱根駅伝」が加わると地方の大学には難しくなってきますね。
コースの作りや距離などにより、中距離選手を長距離選手へ調整していくのは難しいし、中距離選手と長距離選手両方を揃えるのもなかなか難しいですよね。
関東の大学と地方の大学とで目指している大会が違うために大きな格差が生まれてしまったのでしょうね。
その大きな格差が少しずつでもなくなり、問題が少しずつでも解消され、「箱根駅伝」が全国化されるともっと楽しく観戦する事が出来るのでしょうね。
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